半坪ビオトープの日記

この花はミカン属のタチバナ(橘、Citrus tachibana) 。日本の野生柑橘の1種で、本州の静岡県以西、四国、九州の沿海地にまれに自生する。台湾の山地も含まれる。
京都御所紫宸殿の「右近の橘」は本種の栽培品種で果実が大きい。古来より神聖な樹木として神社仏閣の境内に植えられてきた。
花は小さく半開性で上向きに咲くため立花という。
香りがよく、古来より歌に詠まれることが多い。
五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする(古今集 詠み人知らず)
少し技巧的な気もするが、もっとも有名な歌といえよう。
我が宿の花橘にほととぎす今こそ鳴かめ友に逢へる時(万葉集 大伴家持
万葉集には橘の歌が植物では4番目に多いという。ほととぎすとの組み合わせも特に多い。