半坪ビオトープの日記


高さ20cm内外の小ぶりのナデシコの多くは、セキチク(Dianthus chinensis) の園芸品種である。中国原産の多年草だが、園芸上は一年草として栽培される。
かなり古く日本に渡来し、万葉集にも登場する。日本のナデシコと区別するためカラナデシコ(唐撫子)ともいう。ヨーロッパで改良されたセイヨウセキチクは、八重咲きもある大輪である。

日本でも古くから改良品種が作られた。中でもトコナツ(常夏)は、耐寒性があるとともに春から秋まで花期が長く、江戸時代には、変り撫子の典型であるイセナデシコ(D. × isensis) とともに大流行したといわれる。

また、サンズンセキチクやゴスンセキチクという、矮性種も作られ、これはゴスンセキチクの’日の丸’という品種である。

これはセキチクの’コロサル(Colosal) という品種である。これなども花柄が魅力的である。

他にも多くの園芸品種が作出されていて、品種名がわからないものも多い。
万葉集にはナデシコの歌が26首あり、そのうち大伴家持の歌が11首と多い。
うるはしみ我が思ふ君はなでしこが花になそへて見れど飽かぬかも
                 大伴家持(巻二十4451)
さらには平安時代の女流作家、清少納言紫式部和泉式部は、いずれもカラナデシコとヤマトナデシコの名をあげ、その花の美しさを賞賛した。