半坪ビオトープの日記


ナデシコ類で最も品種改良が進んだのはカーネーション(D. caryophyllus) だろう。英名の carnation が有名で、江戸時代に渡来した時の和名であるオランダセキチクや、別名のアンジャベルという名はすたれた。
カーネーションという種名の由来には諸説あるが、シェークスピア時代のイギリスで coronation flower(花冠)から carnation flower に変わったとする説が有力である。

原産地は南欧から小アジアの説が有力で、ギリシア・ローマ時代から栽培され、ワインの香りづけにも使われたという。基本種は一季咲きの一重であった。
セキチクその他が交雑されて改良が加えられ、四季咲きの八重咲き種がほとんどで色も多彩となり、最近はアメリカの改良種が多くなっている。

母の日は1914年、ウィルソン大統領の時代に制定されたが、カーネーションとの結びつきはその数年前のことである。
フィラデルフィアの日曜学校の教師であったジャービス夫人の命日に、娘のアンナがカーネーションを配ったのが反響を呼び、全米に広まったとされる。