半坪ビオトープの日記

ゲラニウム・シルバティクム

小さな雪渓の横を通りながら、お花畑の道を歩き続けると、ようやくシャルラノン峰の尾根への上りにかかる。まだ太陽はまぶしいが、シャモニ針峰群の左にグランド・ジョラス(4208m)の北壁が見えてきた。
右上の花は、フウロソウ属のゲラニウム・シルバティクム(Geranium sylvaticum)。属名の Geranium は、ギリシア語の geranos (ツルの意)に由来し、花後の実の形がツルのくちばしに似ることに因む。
sylvaticum とは、森の という意味で、ヨーロッパに広く分布する。日本のグンナイフウロ(G. eriostemon var. reinii) に最もよく似ている。
都市部の空き地にも見られる、ゲンノショウコ(G.thunbergii) も同じ属であり、昔から下痢止めに使われ、薬効が早く現れることからその名がある。
園芸上のゼラニウムは、正しくはペラルゴニウム(Pelargonium) といい、和名はテンジクアオイと呼ぶが、英語で geranium 仏語でgéranium と表記する。