半坪ビオトープの日記

ニワウメ(庭梅)

近くの区界の川を暗渠にし上を細長く公園にしている。格好の散歩コースで四季折々の花を楽しむことができる。このニワウメ(庭梅)もそこで見かけた。
中国原産で古い時代に渡来した。高さは1〜2m。花は春に葉より早く咲き出しだし、小枝の各節ごとに2〜3個の花をつけ、淡紅色の一重咲きで枝にびっしりと連なる。果実は1cmの球形で紫赤色に熟し食べられる。子供の頃、よく食べたことを思い出す。
別名「林生梅」、「郁李」、「朱華」。また、万葉集に4回歌われている「はねず」は、ニワウメとされる。2首が「翼酢」、残りが「波祢受」、「唐棣」となっていて、3種が移ろいやすさを詠んでいる。

夏まけて 咲きたるはねず ひさかたの 雨うち降らば うつろひなむか      
夏儲而 開有波祢受 久方乃 雨打零者 将移香
大伴家持 巻8−1485)

思はじと 言ひてしものを はねず色の うつろひやすき 我が心かも       
不念常 曰手師物乎 翼酢色之 變安寸 吾意可聞
大伴坂上郎女 巻4−657)
(もうあなたのことは思うまいと口にしたわたしだったけれど。はねず色と同じで、ほんとうに移ろいやすい心よ。また恋しくなってしまって・・・)今野寿美訳