半坪ビオトープの日記

ハナカイドウ(花海棠)

中国西部原産で、漢名は垂絲海棠。4月、赤味を含んだ若芽と同時に、帯紫紅色の八重または一重の花が総状に垂れる。5cmほどの花梗で垂下する花が雨に濡れる様はなまめかしく、「雨に悩める海棠の風情」といって、美女を形容する言葉として使われる。というわけで、朝から降っていた雨が上がった後、雨に濡れた海棠を撮ってみたがどうだろうか。
また、唐の玄宗皇帝がほろ酔い機嫌で寝た楊貴妃を呼び起こした処、眠そうな顔で現れたのを見て「海棠の眠り未だ足らず」と言って愛妻をカイドウの花にたとえた、といわれ、中国では眠り花とも呼ぶ。
「和漢三才図会」(1713)に「垂絲海棠は未だ嘗て有らざるなり」とあり、元禄以前に渡来していた、花が上向きのウケザキカイドウ(漢名、海紅、別名、ナガサキリンゴ、実海棠)より遅れて日本に渡来した。
バラ科リンゴ属で、属名の Malus はギリシャ語の malos (リンゴ)からきている。