半坪ビオトープの日記

ミツマタ(三椏)

このミツマタの花も先日(二月)の赤塚植物園で見かけた。中国原産で、室町時代末期に日本に渡来したとする説が一般的。樹皮の繊維を和紙の原料にするため広く栽培されてきた。高さは1〜2mになる。枝は3本に別れ、さらにまた3本に分かれることからミツマタという。
春、葉に先だって球形の頭状花序をつける。萼は筒型で先は4裂し、内側は黄色、外側には白い毛が密生する。花の色が赤い、アカバナ(ベニバナ)ミツマタは園芸品種。
三枝(サキクサ)は、万葉集では何を指すか諸説あり、賀茂真淵ヤマユリとし、曽占春がミツマタ説をたてた。この説を採ると、万葉の時代には渡来していたことになる。どの説が正しいかはわからない。万葉集では次の句が有名。
春さればまづ三枝(さきくさ)の幸(さき)くあらば 後(のち)にも逢わむな恋ひそ吾妹(わぎも) (柿本人麻呂、巻10-1895)
春が来ればまず咲く三枝のように無事であれば、この後もまた会えるのだから恋してやつれてはいけないよ、おまえ
と再会を期待しながらも相手の恋心をなだめているとされる(今野寿美訳)。