半坪ビオトープの日記

シキミ(樒、梻)

この花も赤塚植物園で見かけた。モクレン科シキミ属。暖地の山地に自生し、高さ2〜5m。3月から4月、葉腋に淡黄白色で3cmほどの花が咲く。果実は10個ほどの袋果が星型に並び、秋に熟すと裂け、有毒の種子をだす。枝や葉を切ると抹香の匂いがするが、汁も有毒なので口にしてはいけない。
神事にはサカキを用いるが、こちらは古くから棺に、また仏壇や墓にふつうに供えられる。そのため庭木としては嫌われる。用途は線香、抹香。
本州(宮城、石川県以西)、四国、九州、沖縄、台湾、中国に分布する。別名に、ハナノキ、ハナシバ。
万葉集に1首ある。
奥山の樒が花の名のごとや しくしく君に恋ひわたりなむ (大原真人今城=おおはらのまひといまき 巻20−4476)
あなたを恋しく思う気持ちはいつまでも、ちょうど奥深い山にひっそりと花をつける樒の、そのしきみという名のように、しきりであるにちがいない(今野寿美訳)