福江島の南西部を見た後、南岸を東進し、福江の町近くの郊外に明星院という寺院の前に来た。のどかな田園地帯で、獲物を探している大きなサギを数羽見かけた。翼の色が青味がかった灰色で、飛んだ時に見える風切羽が黒いサギは、日本最大のサギといわれるアオサギとわかる。手前のサギはアオサギのメスか幼鳥か。右手の白鷺は、大きいのでダイサギと思われる。
山門をくぐると大きな庫裏があり、幾つも建物が並んでいる。左手の参道の突き当たりにこじんまりとした本堂が建ち、その右隣に護摩堂が立っている。
明星院の現在の本堂は、第28代五島藩主・盛運公が、安永7年(1778)に火災で焼失したものを再建したもので、五島最古の木造建造物である。昭和45年(1970)銅板屋根の葺替え修復を行った。檜の芯柱20本が使用されている。本尊は虚空蔵菩薩で、脇仏は地蔵菩薩と阿弥陀如来である。2015年に日本遺産に認定された。延暦23年(804)に空海が唐から帰朝する途中にこの寺に籠り、朝の明星を見てこの名を寺につけたと伝えられている。