井波彫刻総合会館は、250余年の伝統を誇る井波の木彫刻から現代彫刻、工芸作品に至るまで、技術の粋を集めた作品を展示し、伝統産業を発展させるために、平成5年7月3日(い・な・み)に開館した。
井波彫刻会館のスケールおよび配置は、瑞泉寺の伽藍配置をモデルにして、イギリスの建築家ピーターソルター氏のデザイン設計によるものである。特徴的なものとしては、大展示室の寺院建築を意識した天井木組みやエンタシスの柱、散居村をイメージした一二三石の床、銅板葺の大屋根、シンボルモニュメントなど、感性に直接訴えかける建物である。
館内には、欄間・衝立・パネル・天神様・獅子頭に代表される、置物等、クス・ケヤキ・桐等を材料として、荒彫りから仕上げ彫りまで200本以上のノミを駆使した作品が展示されている。これは井波彫刻伝統工芸士・高田斉の作品、「島梟〜命の輪舞曲」。材質はクス。
左の「獅子頭」は、今井幸太郎の作品。右の「獅子頭2尺」は、伝統工芸士・小西竜荘の作品。両者とも、神社仏閣の欄間・獅子頭などの彫刻を数多く手掛けている。井波彫刻協同組合には、伝統工芸士会と一級井波木彫刻士会が含まれている。
富山県西部に位置する砺波平野は、主に庄川と小矢部川が形成した扇状地である。その砺波平野の約220平方kmの広さに、屋敷林に囲まれた約7,000戸を超える農家が点在する散居村が広がっている。その散居村を見晴らす眺望スポットして4箇所の展望施設がある。