半坪ビオトープの日記

仏ヶ浦、五百羅漢


「仏か鬼が造ったとしか思えない」といわれる奇岩群が連なる仏ヶ浦は、下北半島西岸の下北郡佐井村南部に所在する景勝地である。佐井港などから観光船で見にいくのが普通だが、脇野沢から大間崎に向かう途中の国道沿いの展望台から見下ろすこともできる。五百羅漢の左上にあたる唯一の展望台から、眼下に臨む仏ヶ浦の眺めは圧巻で、桟橋を歩く人影と奇岩・断崖との比較ができる。展望台は海抜190mの高さがある。展望台より少し南にある駐車場から、歩いて仏ヶ浦に下りていくこともできるが、帰りの上りがきつそうだ。

大間崎で昼食後に佐井港まで戻り、仏ヶ浦観光船に乗る。観光船は脇野沢や牛滝港からも出ているようだが、運行本数や上陸時間などを考慮すると佐井港からの観光船が便利だ。佐井港には観光施設「津軽海峡文化館アルサス」があり、その中に佐井村海峡ミュージアムという展示施設もある。小さな佐井村だが宗派の異なる五つの寺院、佐井五か寺があり、その中で最古の長福寺には円空作の木彫十一面観音立像が安置されている。また、箭根森(やのねもり)八幡宮周辺の遺跡からは石鏃などの石器類が多数出土している。

高速観光船は佐井港から30分かけて仏ヶ浦までの海岸線を南下するが、佐井港を出てまもなく左手に大きな岩山が二つ並んで見える。左手前が女願掛け岩、右奥が男願掛け岩で、その中間に鍵掛け縁結びの場がある。手前の方が近いので大きく見えるが、実際には奥の男願掛け岩の方が大きく尖っている。

やがて岩の岬・福浦崎を回り込むと仏ヶ浦が見えてくる。先ず目に入るのは五百羅漢と名付けられた海蝕崖である。

仏ヶ浦の船着場の左に見えるのは、岩龍岩である。船着場の前を少し南(右手)にやり過ごして、仏ヶ浦全体を海上から見て回る。

正面左手にある高い岩が、天龍岩と呼ばれる岩である。

左の尖峰が集まっているが十三仏で、中央の断層が見えるのが蓬莱山(鳳鳴山)である。

鳳鳴山の右手の方に一ツ仏と呼ばれる岩がある。海岸で真横から見ると一つに見えるそうだが、海上からは二つの岩が並んで見える。ここらあたりが仏ヶ浦の南端であろう。

左手の天龍岩から中央右手の鳳鳴山までの連なりを見て、天龍岩の左にある船着場へと戻って上陸する。

船着場のはるか左手(北)に見える五百羅漢は、光景が羅漢像に似ていることから名付けられ、船着場から徒歩で行くことはできず、全体が大きいので海上など遠くから眺めるのがよい。