半坪ビオトープの日記

仏ヶ浦、屏風岩   


仏ヶ浦は古くは仏宇陀(ほとけうた、ほとけうだ=「ウタ」はアイヌ語で「浜」の意)と称し、海岸沿いに仏像を思わせる白緑色の奇岩が連なり、如来の首・五百羅漢・一ツ仏・親子岩・十三仏・観音岩・天龍岩・蓮華岩・極楽浜などの名称が付けられ、その総称が仏ヶ浦となる。
船着場に着くなり、見たこともない三角錐形の牙のような白い岩が並び立っている。近づくにつれ姿を変えていく異様な光景に圧倒される。

三角錐形の牙のような岩龍岩の向こうに、先ほど海上から見た五百羅漢の岩壁を眺めることができる。

右手を眺めると、荒く削られた断崖が連なっているのが見える。間近に迫って見るとどうなるか、ワクワクしながら桟橋を進んで上陸する。

よく見ると綺麗な三角錐と思われた岩も、かすかに緑色を帯びかなりごつごつしている。
今からおよそ2000万年前に、日本列島がユーラシア大陸から分離して、日本海が生まれた頃に、火山の活発な活動によって降り積もった火山灰が凝固して緑色凝灰岩となり、沿岸部に厚い層を形成してやがて断崖となった。

もろくて崩れやすい凝灰岩の崖は、長い年月をかけて風雨や波によって侵食され、独特な形状をした奇岩が立ち並ぶ圧倒的な景観を作り出した。
多くの岩の頂上部は、海に向かって吼えたてる怪獣の頭に見えてしまう。

こちらの岩の頂上にも何やらいわくありげな形が見受けられる。

一通り奇岩を見上げながら進むと、広い砂浜に躍り出る。ここが極楽浜と呼ばれている。前後の奇岩に挟まれているが、ひとときホッとできる場所である。

正面には大きな岩の塊がある。岩の頂上が天に昇る龍のように見えることから天龍岩と呼ばれる。高さが20m以上もあり、断崖から切り離されて固まっているのが奇異である。

極楽浜には左の崖の上から歩いて降りてくる道があり、降り立った所に地蔵堂が建っている。仏ヶ浦周辺の福浦地区や牛滝地区の漁師たちにとって、ここは大切な地蔵菩薩信仰の場所で、毎年7月24日には仏ヶ浦まつりが催され、地元の女性たちが十三仏の御詠歌を唱え、長い数珠を十数人で繰るという風習が伝わっている。地元の伝承によると、昔は地蔵尊信仰として23日に恐山の地蔵堂にこもり、翌24日は4里の山谷を歩き、仏ウタに降り、この地蔵堂に参詣するのが慣わしであったという。

地蔵堂のほか、海岸の数カ所に鎮座している石の地蔵様にもお参りするという。

地蔵堂を見たところで、今来た左後ろを振り向くと、幅広い屏風岩が異様に大きく見える。その名の通り屏風のような岩だが、上部の岩も変化に富んだ姿をしている。屏風岩の右手の四角いフクロウのような岩は観音岩で、屏風岩の左側の岩も鋭く口を開けて吠えているように見える。