半坪ビオトープの日記

元地、地蔵岩、桃台・猫台

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元地海岸のメノウ浜と地蔵岩

礼文島の玄関口・香深から新桃岩トンネルを越えたところにある元地漁港があり、その北に元地海岸がある。ここにはメノウ浜と地蔵岩があり、日本海に沈む夕陽が美しい場所として知られる。元地という地名は、アイヌ語のチェプ・モトチ(cep-motochi=魚・背骨)に由来すると推測されている。

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元地海岸のメノウ浜と地蔵岩

礼文島にある奇岩の一つである地蔵岩は、お地蔵さんが手を合わせているように見えることからその名が付いた。地蔵岩は礼文島北部の花中を起点とし、西海岸を歩く「西海岸8時間コース」の終点にもなっているが、宇遠内〜元地は落石や崩落の危険があることから通行を禁止、現在は香深井がゴールに変更されている。

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地蔵岩

火山島である利尻島とは対照的に、礼文島は、島の最高峰・礼文だけを中心に分布する白亜紀礼文層群と、新第三紀の元地層などで構成されている。元地海岸には前期白亜紀礼文層群地蔵岩層と断層で接して溶結凝灰岩があり、これがメノウ浜層であり、地蔵岩は礼文島白亜紀で最も古い礼文層群地蔵岩層であり、灰緑色凝灰質砂岩と紫灰色珪質頁岩が互層する硬質な堆積岩で形成されている。地蔵岩は直立した層理面に沿って侵食が進み、背後の尾根から分離した状態となっている。この地蔵岩層にはハイアロクラスタイトや砕屑性の石灰岩層が挟在している。北海道地質百選にも選ばれている。

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桃岩を眺める展望台、桃台・猫台より

桃岩の手前に桃台・猫台という桃岩・猫岩を眺める展望台があり、観光バスがたくさん止められるように比較的大きな駐車場がある。

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桃岩

桃岩を西から眺めると、放射状の柱状節理からなる核と、それを取り囲むように結晶質及びガラス質のバンドが何層も見える。外縁に近づくと、マグマが泥と接触した時にできた角礫状の岩石(ペペライト)が観察できる。潜在円頂丘の内部が見えることで世界的にも有名である。桃岩の標高は250mである。

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ツバメ山の断崖、猫岩、ユースホステル桃岩荘

南西方向には標高233mのツバメ山の断崖が屹立し、右下に猫岩が見える。手前のエンカマという海岸に建つのはユースホステル桃岩荘。築約140年超の元鰊番屋を改装して半世紀前に建てられた。

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猫岩

猫岩の標高は29m。その左奥の岩に涎のように見える白い筋は、ウミネコの糞である。

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桃台・猫台の前の断崖

南東方向は桃岩とツバメ山の中間にあたるが、この断崖も幾重にも複雑な岩層が積み重なって見るものを圧倒する。

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元地港

北を眺めると元地港が見える。その先は断崖絶壁の海岸が続く。

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民宿の夕食

その晩は香深の民宿に泊まったが、少しずつでも色とりどりの海の幸を食べることができた。

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ホッケのちゃんちゃん焼き

翌朝はホッケのちゃんちゃん焼き。キャベツの上で焼くのが普通だが、発祥の地といわれる礼文島では、味噌だれを乗せるだけ、そこに刻みネギを乗せるぐらいのものが多いようだ。