半坪ビオトープの日記

明神橋


再び川に近づくと、河原にはヤナギの明るい林が広がり、足下にはヤマハハコ(Anaphalis margaritacea)が咲いている。本州中部地方以北および北海道の山地、高原などに生える多年草で、高さは30~70cmになる。雌雄異株。8月から9月に、茎の上部に淡黄色の頭花を散房状につける。白いドライフラワーのような花びら状のものは総苞片である。

やがて、バスターミナルから1時間弱で、明神館の建つ広場に到着する。

広場にはベンチやトイレがあって、ハイカーの休息地となっている。晴れていれば、明神岳がその勇姿を見せているはずだ。

ソバナの花もたくさん咲いている。この花は、オオハナウド(Heracleum lanatum var. lanatum)である。本州の近畿地方以北および北海道の山地帯〜亜高山帯草地に生える多年草で、高さは1m以上になる。茎の先に大型の複散形花序をつける。花は白色の5弁花で、周辺部の外側の花弁が大きく、2深裂し、左右相称花となる。

梓川に架かる明神橋は、まだ新しい吊橋である。主峰が標高2931mの明神岳は、かつて「穂高大明神が鎮座する山々」という意味で、穂高連峰全体をさす言葉として使われていたという。かつて上高地へは徳本峠を越えて入山したので、穂高神社奥宮の祀られた明神は、峠を越えた到着点として「上高地(神垣内)」を指していたという。先ほど見かけた2263峰が左に見えるが、正面の前明神岳(2726m)は雲に隠れて見えない。

明神橋の上から上流を眺めてみると、彼方は分厚い雲に覆われ、残念ながら北アルプスの山は見えない。

下流を眺めると梓川の右岸には、しっかりと石堤が組まれているのが見える。

広々とした河原に下りてのんびりと休憩している人が、あちこちにたくさん見かけられる。