半坪ビオトープの日記

戸隠神社、火之御子社


中社のすぐ右手に、徳善院蕎麦極意がある。創業500年以上の歴史を持つ宿坊極意に併設するそば処である。

徳善院蕎麦の向いには、戸隠門前そばで有名な「うずら家」がある。混むので有名でもあるので早めに入ったが、出る時には十人近く並んでいた。

「天ざるそば」(1700)を頼んだが、こしのある蕎麦も天ぷらも評判通りとても美味しく食べられた。本わさびを自分でおろすため、余りをそば湯に入れて飲むと、また別の味わい方ができてよかった。さらに善光寺名物の八幡谷磯五郎の七味とうがらしを入れて飲むそば湯も格別だった。 

さて、戸隠神社の本命、奥社を詣でようと入口まで行ったが、雨脚が強くなったので往復1時間強を歩くのは困難と、残念ながら諦めた。奥社の祭神は、天手力男命(あめのたぢからおのみこと)である。天照大神が天の岩戸に隠れた時、岩戸を押し開いた高天原一の怪力の神である。参道の杉並木も美しいとのことなので、ぜひともまたの機会に詣でてみたい。

かわりに予定になかった鏡池を見た。

池を鏡に見立て、戸隠連峰の姿を写し出すというのだが、残念ながら雨雲で戸隠の山は見えなかった。

鏡池の後に宝光社と火之御子社を詣でた。宝光社と中社の間にある火之御子社は、戸隠五社に数えられるが、戸隠三社の場合は摂社と位置づけられている。

鳥居をくぐり石段を上ると、大きな二本の杉の木の間から社殿がぽつんと見える。境内には、西行法師が桜の木に登った戸隠の子供達と歌を交換し、やり込められたという伝承をもつ「西行桜」があるというが、気付かなかった。

火之御子社は、承徳2年(1098)に創建されている。主祭神は、岩戸開きに功績のあった天鈿女命(あめのうずめのみこと)で、高皇産霊命(たかむすびのみこと)、天照大神の子の天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、その妃であり高皇産霊命の姫である栲幡千々姫命(たくはたちちひめのみこと)が配祀されている。神仏習合の時代も、火之御子社だけは一貫して神社として祀られていたという。

火之御子社という名からすると天忍穂耳命主祭神だろうと思うが、天の岩戸の飛来伝説から天鈿女命が主祭神になったものと思われる。

社殿の左手奥には、樹齢500年を越える「結びの杉(二本杉)」が聳えていて、根元には小さな祠が祀られている。