半坪ビオトープの日記

円覚寺、仏殿


まだ紅葉には早いが、先週平日に鎌倉に出かけた。北鎌倉駅から線路に沿って進むと踏切の左側に「臨済宗大本山円覚寺」の寺号標石がある。鎌倉五山第2位、山号は瑞鹿山、正式寺号は圓覚興聖禅寺と称する。
弘安5年(1282)の開基は、8代執権北条時宗、開山は、宋僧無学祖元(仏光国師)である。

石段を上っていくと四脚門の総門がある。「瑞鹿山」の扁額は後土御門天皇の宸筆による。山号の瑞鹿は、無学祖元の開堂供養の説法を一群の白鹿が聴聞したとの伝説に由来している。

総門から境内に入ると石段の上に3間1戸二重門の三門がある。天明3年(1783)当山中興の大用国師誠拙和尚が再建した。

伏見上皇の宸筆「圓覚興聖禅寺」の額がかけられ、楼上には聖観音菩薩像と十六羅漢像が安置されているが、拝観はできない。しかし運良く、次の仏殿内で写真が展示されていた。寺号の円覚とは、時宗建長寺開山の蘭渓道隆に寺地を占わせ、現在地を掘ったところ、土中から円覚経を納めた石櫃がでてきた、という伝承に由来している。

三門の奥に昭和39年に再建された鉄筋コンクリート造の仏殿がある。禅宗様式の風格ある建物で、後光厳天皇宸筆の「大光明宝殿」の額がある。

本尊には宝冠釈迦如来座像が安置されている。頭部は鎌倉後期の作で、胴部は江戸初期の補修である。脇侍の梵天帝釈天は元禄5年(1692)の作である。

天井には前田青邨監修、守谷多々志の揮毫による白龍図がある。