半坪ビオトープの日記


柴又公園の堤の上から山本亭の建物が見える。山本亭は、大正末期から昭和初期の建物で、和洋折衷の建物と庭園が見事に調和されていて、東京都選定歴史的建造物である。

木造瓦葺き2階建てで、1階400㎡、2階50㎡、地下防空壕、土蔵、長屋門等からなる。
長屋門は、瓦葺きの木造平屋で、伝統的な形態を踏襲しながらも、外観・内部とも意匠を洋風化している。通路の両側にある袖部屋は、門番が常駐し、人力車の車夫などが控えていたとされる。

面積約890㎡の和風庭園は、近くに池泉を背後に植え込みと築山を設けて滝を落とすという典型的な書院庭園で、マツ、ツツジなど約400本の樹木が処狭しと植えられている。マツには、観光目的と思われる雪吊りが施されている。アメリカの日本庭園ランキングで4年連続全国第3位に選ばれたという。

邸内で唯一の洋間である鳳凰の間は、白漆喰仕上げの高い天井や、寄木を用いたモザイク模様の床、大理石のマントルピース、ステンドグラスなど昭和初期独特の斬新なデザインで造られている。

山本亭は、地元ゆかりの山本工場(カメラ部品製造)の創立者である山本栄之助の自宅だったものを、葛飾区が取得し平成3年から一般公開されている建物である。茶室のほか各部屋も句会・茶会・クラス会などに借りられる。この日も筝と尺八の演奏会があったようだ。

伝統的な書院造りのこの部屋は舞の間という。貸し出しはしていない。

こちらが帝釈天や川甚に近い裏口である。