半坪ビオトープの日記


さらに左に進んでいくと、木々に囲まれて大歳御祖(おおとしみおや)神社がある。浅間神社神部神社が東面する同一社殿に祀られているのに対し、こちらは南面する独立の社殿に祀られている。この三社を総称して静岡浅間神社という。
延喜式内社で、「総国風土記」によれば、応神天皇4年(273)の創建という。往古の安倍の市(静岡)の守護神で、かつては奈吾屋社と称し、諸産業の繁栄守護の神として信仰される。
主祭神大歳御祖神は、別名・神大市比売命とされる。「古事記」によれば、神大市比売命は大歳神と宇迦之御魂神の母神である。
奥にある本殿は、天保7年(1836)に完成した三間社流造で、簡素なたたずまいだが、組物・彫刻には極彩色が施され、重文に指定されている。
同年完成の拝殿は、戦災で焼失し、戦後鉄筋コンクリート造で再建されている。これがその拝殿である。

拝殿の手前に神門がある。もと天保8年完成の楼門があったが、こちらも拝殿と同じく戦災で焼失し、戦後に神門が建てられた。

神門の前に大きな朱塗りの赤鳥居が道路に面している。

大歳御祖神社の境内も広く、瓢箪型の大きな神池があり、くびれた所に朱塗りの橋が架かっている。

神池の畔を巡って、ふたたび浅間神社神部神社2社同殿の回廊まで戻った。重文に指定されている回廊にも宝物類がいくつか陳列されている。

お祭りのときに奉ずる御神輿も展示されていた。重要な宝物類は、宝蔵や文化財資料館に収蔵・展示されているのだが、時間がなくなったため見学を切り上げ、雨にたたられた11月の寸又峡一泊の旅を終えた。