半坪ビオトープの日記


先日仕事の帰りに、日本では奄美大島加計呂麻島にしか生息いていないはずの珍しい蝶が道端でよろよろ這っているのを見つけた。
この蝶は、タテハチョウ科アカボシゴマダラ属のアカボシゴマダラ(Hestina assimilis) という蝶で、ベトナム北部から中国、台湾及び朝鮮半島に分布する。

広東の標本により1758年にリンネにより命名された、あらゆるチョウの中で最も古く命名された種類のひとつである。
1995年に埼玉県で突如発見され、その後神奈川県で発生・定着が確認され、2006年には都内でも発生が確認された。これは奄美産の日本亜種(H. a. ssp shirakii) とは違い、中国大陸産の名義タイプ(H. a. assimilis) と推定され、昆虫マニアによる人為的な放蝶と推定されている。

北海道から九州までに生息する、同属のゴマダラチョウ(H. persimilis japonica) と食草(エノキ)も同じで類似環境に生息するため、生態的に競合すると危惧されている。

白と黒のゴマダラチョウとそっくりだが赤い班紋が美しい。日本産のジャコウアゲハと競合するホソオチョウと同じく、人為的な放蝶とみられ「要注意外来生物」に指定されているのだが、弱っていたので庭に放した。