半坪ビオトープの日記


最も多く園芸品種が作出され、道端でもよく見かけるユリは、上向きに盃形に咲くスカシユリ系であろう。北海道に自生するエゾスカシユリ(Lilium dauricum) と本州中北部に自生するスカシユリ(L. maculatum) は、江戸時代初期から交雑され100種以上作出されたといわれる。
最近は、スカシユリをもとにオニユリヤマユリなどとの交雑種が日本だけでなくヨーロッパでも多様に育成されて、品種を特定するのは難しい。細かい斑点があるこの花は、秋葉錦や挽歌という品種に似ている。

スカシユリの「スカシ」とは、隣り合う花被片の基部に透き間ができることによる。エゾスカシユリは北方系のユリで、極早生なため5月中下旬には開花し、早期促成の切り花に向く。この花は、マルカート(Marcato) やプラト(Prato) に似ている。

スカシユリ系の園芸品種も6月初旬から随所で見られる。スカシユリは橙色の花被片に赤褐色の斑点がたくさん入るが、園芸品種には斑点のないものや花被片が黄色や桃色のものもある。この花は、デトロイト(Detroit) やイロンカ(Ilonca) に似ている。