半坪ビオトープの日記


ギリシア神話ローマ神話で有名なアネモネだが、現在もっとも出回っているのは、キンポウゲ科アネモネ属のコロナリア(Anemone coronaria) という品種である。属名は、ギリシア語 anemos(風)に由来し、種名は「花環」に由来する。
地中海沿岸の原産で、秋植えの球根として出回る。花期は3月〜5月。日本には1930年に渡来し、和名には、ボタンイチゲ、ベニバナオキナグサなどがある。一重、八重のほか多くの園芸品種があり、花色も多彩である。
アネモネは伝統的に「妖精の花」とされ、古代ローマでは呪術師や賢者がこの花に不思議な力を認め、熱病除けのまじないに用いたりした。一方、古代エジプトでは病の象徴とされていたし、ヨーロッパの一部でも縁起のよくない花とされた。
イギリスやドイツの俗信では、第二回十字軍遠征の際、イタリアのピサ大聖堂に運ばれた聖地の土の中に球根が混じっていて、十字軍殉教者の墓から血のような赤い花が咲いたそうだ。それを殉教者の血のよみがえりと信じ、「奇跡の花」としてヨーロッパに広まったという。