半坪ビオトープの日記


小輪のパンジーを園芸上、ビオラ(Viola cornuta × wittrockiana) というが、もともとビオラ(Viola) とはスミレ属のことをさし、ギリシア語 ion (wion) を語源とするラテン古名である。ゼウスによって牛に変えられた乙女、イオのために大地からこの花が生まれたという伝説に基づいている。
ピレネー原産のコルヌタ(V. cornuta) 種の系統で、小輪ながら無数の株立ちとなって咲くタフテッドパンジーから改良され、今ではパンジーとの区別もつきにくいほど交雑が進んでいる。日本も品種改良の中心地の一つである。
大昔からヨーロッパで愛好されたスミレは、ニオイスミレ(V. odorata) で香りがよく、アテネを象徴する花であった。ところが野生のパンジー(V. tricholor) にはほとんど香りがなく、ビオラ系統も同じである。その理由を説く伝説もあるという。