半坪ビオトープの日記


冬の室内の花として人気が高いのが、このシクラメン。園芸品種のほとんどは、サクラソウシクラメン属のペルシクム(Cyclamen persicum)という。属名は、ギリシア語 kyklos(円)に由来し、受精すると花柄がらせん状に巻くことにちなむ。
ギリシア、トルコなど東地中海沿岸の原産で、塊茎をもつ多年草。英名は sowbread で直訳すると「雌豚のパン」といい、ヨーロッパではこの根を豚が掘って食べるという。日本ではブタノマンジュウ(豚の饅頭)と訳されたが、牧野博士はカガリビバナ(篝火花)と呼んだ。日本には明治中期に渡来した。
古来は、有毒にもかかわらず塊茎の澱粉を食用としていたが、大航海時代以後ジャガイモにとって代わられたといわれる。
多くの園芸品種の元になったのがペルシクム種だが、最近は日本で開発された耐寒性のあるミニシクラメンもかなり出回っている。
また、1975年に布施明が「シクラメンのかほり」を歌いヒットしたが、当時のシクラメンの園芸品種にはかすかな香りしかなかった。ようやく近年になって、野生種の香りを持つ「芳香シクラメン」が埼玉県の園芸研究所により開発され注目されている。ただし、野生種に近いので花はポツリポツリと咲く程度なので、花つきの良さが課題という。