半坪ビオトープの日記


ラン科の植物の分類には諸説あるが、おおよそ750属2万種を超えるという。
地生種は寒帯まで分布するが、着生種のほとんどは熱帯に分布する。
シュンランやエビネなども含めたいわゆるラン類だけでも数百属あり、属間雑種も含めた園芸品種は数えきれない。
ランは花の女王といわれるほどに美しく、華麗で気品高く、ときに芳香を放ち、花の寿命が長いなど鑑賞花卉として優れている。
鑑賞用のほか、バニラは香料を目的として栽培され、シランやセッコク漢方薬として利用される。
さて、アジアの熱帯からオーストラリアや台湾に分布するバンダ属には約40種の原種があるが、そのうちのコエルレア(Vanda coerulea) を親として交配された品種が多い。
その中でもバンダ・ゴードン・ディロン(Vanda Gordon Dillon) は、紫色の花が特に美しく、バンダの代表種といえるだろう。

この黄色系のランは、ファレノプシス属(Phalaenopsis) の花である。属名は、ギリシア語 Phalaina(ガ)と opsis(似る)に由来し、基準種の花がある種の熱帯産のガに似ていることにちなむ。
日本では「胡蝶蘭」と呼ばれて切り花や鉢花に人気がある純白系が多く出回っているが、ピンクや赤色などの花色も多い。

ファレノプシス属から分離したドリティス属(Doritis) とファレノプシス属との交配で作出された人工属がドリテノプシス属で、これはタイダサルー(× Doritaenopsis Taida Salu) という園芸品種。
ドリテノプシス属の花色は濃紅桃色系が多い。