半坪ビオトープの日記


最も古いランの記録は、中国の孔子(前551-479)が野にあるランを「蘭は香りある植物の王」と歌ったのが最初といわれる。
ヨーロッパでは、プラトンアリストテレスの弟子、ギリシアの哲学者でまた植物学の父ともいわれるテオフラストス(Theophrastos、前370-285)の植物誌(Enquiry into plants)が最初という。
しかし、今日栽培される美しいランの多くは熱帯産で、イギリスに最初に輸入されたのは1731年と記録されている。
さて、ランの代表花、豪華なカトレヤには次のような逸話がある。1818年にブラジルからコケや地衣類が葉の厚い植物に包まれてイギリスに送られてきた。受け取った種苗家キャトレイ(Cattley)が、荷造りに使われた見なれない植物に興味を持って育てたところ、1824年にかつて見たこともない美しい花が咲き人々を驚かせたという。
早速、新しいカトレヤ属(Cattleya)が設けられ、以後競って輸入され人気を博したという。
カトレヤ属の原種は中南米の熱帯産で30種ほど知られているが、交配園芸品種は数えきれない。中央右の花は、カトレヤ・アイリーン・オールギーン(Cattleya Irene Holguin) と思われる。

こちらのパフィオペディルム属(Paphiopedilum) のランは、アジアの熱帯に60種ほど知られる。属名は、女神アフロディテキプロスでの呼称 Paphio とギリシア語 pedilon(サンダル)に由来し、唇弁の形にちなむ。
緑、黄色、赤紫、褐色、白などの花色の組み合わせが多彩で園芸品種も多い。

この緑色がかった花は、同じパフィオペディルム属のモーディアエ・マグニフィカム(Paphiopedilum Maudiae 'Magnificum') という。