半坪ビオトープの日記

アカンサス

美術史上で、ギリシャ時代のコリント式柱頭の装飾として知られるアカンサス模様は、このアカンツス・スピノスス(Acanthus spinosus) の葉を文様化したといわれる。
属名はギリシャ語の「刺」に由来し、苞に刺のある種が多いことによる。キツネノマゴ科のハアザミ属という和名は、葉の形がアザミに似ているため。羽状に深裂する葉の形が関心を引いてきた。裂片の先には小さい刺がある。日本には大正時代に渡来した。
一方、明治末期に渡来したアカンツス・モリス(A. mollis) も大型だが、羽状に深裂する葉の裂片の先に刺はない。園芸上もアカンサスと呼ばれる。
アカンサス模様はローマに引き継がれ、中世の教会の天井絵にもなった。アレクサンダー大王の東征後にはアフガニスタンやインドに達し、仏教にも取り入れられたが、日本には伝わらなかった。