半坪ビオトープの日記

ニワトコ属のニワトコ(接骨木、Sambucus sieboldiana) は、本州以南、朝鮮半島の山野に普通に生え、庭にも植えられる。関東では最も早く葉をつける樹木の一つで、春を告げる木といえよう。
材の黒焼きや葉は打撲・骨折の治療に効くといわれ中国名は接骨木という。薬酒にして飲めば利尿、解熱、むくみに効くとされ、若葉を塩茹でにして水にさらし和え物にしたり、生のまま天ぷらにも使われる。ただし、若葉には青酸配糖体を含むので茹でた後よく水にさらすなど注意が必要である。
セイヨウニワトコ(S. nigra) は、ヨーロッパではエルダー(elder)と呼ばれ、さまざまな園芸品種があり、日本でも植えられる。ニワトコ同様薬効が認められ、黒い果実を食べたり果実酒にする。
ただし、エルダーの花は強い匂いが嫌われることもある。古代ローマ以来、万病に薬効があるとされるが、いろいろと伝説や俗信がある。
たとえば中世伝説では、キリストを裏切ったユダはこの木で縛り首になったといわれたり、キリストの十字架をこの木で作ったともいわれる。
古いゲルマン神話では、この木に妖精が住み着いているという。ともかくいわれの多い木である。