半坪ビオトープの日記

セネキオ・インカヌス

ゴルナーグラート(Gonergrat 3130m)から歩いて下る予定だったが、二日前に降った雪がまだかなり残っているため、ローテンボーデン(Rotenboden 2819m)まで一駅電車で下った。駅の向かいには黒いリッフェルホルン(Riffelhorn 2927m)が構え、そのすぐ下にリッフェルゼー(Riffelsee 2757m)がある。
ここから次のリッフェルベルク(Riffelberg 2582m)までは、逆さマッターホルンが美しく見えるため、ツェルマットで最も人気のある初心者向けハイキングコースである。午後になったためマッターホルンには雲がかかってしまったが、雪景色のリッフェルゼーとマッターホルンの組み合わせは珍しい光景だ。
解け始めた雪の間から、サワギク属のセネキオ・インカヌス(senecio incanus)の黄色い花が見える(右上の写真)。シロタエギクに似た葉は、霜が降りたように灰白色である。その右上の白い小さな花は、タカネツメクサ属のミヌアルティア・レクルバ(Minuartia recurva)であるが、この属は仲間が多く見極めにくい。日本にも亜種や類縁種が多い。