小川沿いに上っていくと岩山が前方をふさぐように現れる。小川は滝となり急流となってしぶきを上げている。どこから上り詰めるのかと思いながら進むと道は右に巻いて上がっていく。
アルニカ・モンタナやドロニクム・クルシイなどのウサギギクの仲間の黄色い花や、サクシフラガ・ステラリスやブリオイデスなどのシコタンソウの仲間の白い花などが次々に現れる。
振り返ればはるか眼下にオーバーアルプパスヘーエの駅が見える。左右の尾根も近づいてきてフェリリュッケの峠が近いことが感じられる。ガレ場の岩も大きくなってきた。
右上の白くて大きい花は、キルシウム・スピノシスシムム(Cirsium spinosissimum)といい、アザミの仲間である。そばに止まっている美しい蝶は、アルプスで最もよく花に集まるコヒオドシで、人が近寄ってもなかなか逃げない。