半坪ビオトープの日記

ボダイジュ(菩提樹)

中国原産のシナノキシナノキ属の落葉高木。寺院の境内に植えられることが多く、これも赤塚の乗蓮寺の境内で見つけた。葉は三角状の広卵形で裏に毛があり白っぽく見える。6〜7月、葉のもとから狭い葉状の苞を出し、その途中から長い花梗を垂らして分枝し、淡黄褐色の香りのある小花を鈴なりに開く。
花弁と萼片は5個で多くの雄しべがある。香りは強くいろいろなハチが集まり、そのハチを求めてスズメバチも来る。仲間のオオバボダイジュは、本州中部以北に自生する。
釈迦がその下で悟りを開いたというボダイジュは、インド原産のクワ科イチジク属のインドボダイジュで、種類が違う。仏教が中国に伝わったとき中国にはインドボダイジュがなかったので、似ている中国原産のボダイジュが聖なる菩提樹になりすました。それが仏教伝来とともに渡来したと考えられる。
シューベルトの歌曲集「冬の旅」のなかの「菩提樹(リンデンバウム)」は、シナノキ属のヨウシュボダイジュで、中国原産のボダイジュの仲間である。