半坪ビオトープの日記

ナンテン(南天)

中国原産で、古くに渡来し、関東以西、中国、インドの山野に自生する、メギ科ナンテン属の常緑低木。名は漢名の南天竹に由来するとされる。茎は群出し、直立して1〜2mになる。6〜7月、茎の頭に花穂を出し、白い小さな6弁花を円錐状に集めて咲く。蕾の期間がかなり長いが、花が咲くと6個の黄色の葯が色を添える。実は鮮紅色か白色の球形で、晩秋から冬にかけて庭を美しく飾る。赤い実の木は紅葉し、白い実の木は黄葉する。葉には微量だが有毒の青酸が含まれ、食物の変質を防ぐとされて、赤飯や魚を配るときによく利用された。咳止め薬としても有名である。「なんてん」の音が「難転(難を転ずる)」に通じるとして、古くから縁起物とされ、鬼門よけとして手水鉢の側に植えられることが多かった。最近も玄関脇によく見かける。また、この木で作った箸は、不老長寿の箸として珍重された。