半坪ビオトープの日記

トベラ(扉)

日本の照葉樹林の海岸林を代表する、高さ2〜3mの常緑低木で、特徴のあるこの葉を見ると海岸を波打つ音を思い起こすほどだ。長さ5〜10cmの長楕円形の光沢のある革質の葉は、しばしば裏に反り返る。5〜6月、5弁の芳香のある小形の花が集まって咲く。雌雄異株で雄花の方が花が大きい。花ははじめ白く、後に黄色くなる。果実は三つに裂け、赤い粘った種子を出す。公園や庭園によく植えられる。
枝や根、葉に臭気があり、大晦日の夜に、悪臭を放つトベラの枝を扉に挿して来年の疫鬼を追い払うとか、節分の日に戸口に置いたり、枝や葉を焼いて悪鬼を追い払う風習があったところから、とびらと呼ばれ、それが転訛してトベラになったとされ、トビラギ、トビラノキの名もある。トベラトベラ属で、学名は Pittosporum tobira となっている。漢名を海桐花というのは誤りで、海桐花は中国産の別の花である。