半坪ビオトープの日記

北望台


北望台(1,820m)の左手に五名峰展望台があり、飯豊・朝日・月山・鳥海・蔵王と五つの日本百名山が見渡せるということだが、遥か彼方は霞んでいて確認できなかった。

北望台の右手に「至人形石」と書かれた道標があったが、西吾妻山の登山口としては分かり難い。登り始めるとすぐ、黄色いミヤマアキノキリンソウ(Solidago virgaurea var. leiocarpa f. japonalpestris)が咲いていた。北海道と本州の中部地方以北の亜高山帯〜高山帯に生える多年草で、高さは15~70cmになる。花期は7~9月であるが、初秋の山ではよく目立つ。

こちらの白い花は、カニコウモリ(Cacalia adenostyloides)である。本州、四国の亜高山帯付近の針葉樹林の林床、林縁に生える多年草で、高さは60~90cmになる。葉は長さ10cm、幅20cmほどでタラバガニの甲羅に見立てられた。同じくコウモリの名も葉の形がコウモリに似ることによる。花期は8~9月で、茎の先に円錐花序状に3~5個の筒状の頭花をつける。

こちらのイチゴの実は、ベニバナイチゴ(Rubus spectabilis ssp. vernus)の実と思われる。北海道西南部と本州の中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の林縁や渓流沿いに生える落葉低木で、高さは1~1.5mになる。葉は普通3出複葉で、頂小葉が最も大きく長さ3~8cmの広卵形で先は尖る。枝先に濃紅色の5弁花を1個つけ下向きに咲く。果実は径約3cmの集合果で、黄赤色に熟し食べられる。

こちらの赤い実は、タケシマラン(Streptopus streptopoides var. japonicus)の実である。本州の中部地方以北の山地帯〜亜高山帯の針葉樹林内に生える多年草で、高さは20~50cmになる。普通2枝に分かれる。葉は互生し茎を抱かない。葉の腋に淡紅色の花をつけ、液果は球形で赤く熟す。

こちらのイチゴは、ゴヨウイチゴ(Rubus ikenoensis)である。本州の中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の林内や林縁に生える草本状の落葉小低木で、茎はつる状に伸びて地を這い、枝や葉柄、萼に棘がある。枝先に目立たない小さな白い花を下向きにつけ、集合果は赤く熟し食べられる。

こちらの小さな実は、ゴゼンタチバナ(Chamaepericlymenum canadense)の実である。北海道、本州の中部地方以北、四国の亜高山帯〜高山帯の林下や林縁に生える多年草で、高さは5~15cmになる。秋になると径5mmほどの核果が赤く熟す。紅葉している葉も混ざっているのが面白い。

葉は4~6個が輪生状につき、花は小さく花弁状の白い総苞片が4個つく。よく見ると、実がなっているのは葉が6個のものが多い。ミズキ科の草本で、花も葉もミズキ科のヤマボウシを小さくしたようによく似ている。