半坪ビオトープの日記

ヤマボウシ(山法師)

ヤマボウシとは、丸い蕾の集まりを法師の坊主頭に、白い総苞をその頭巾に見立てての名。くっきりと白い4枚の総苞が手裏剣のように十字を組む姿が美しい。
本州以南、朝鮮、台湾、中国の山野に生え、高さ5〜10mになる。山では6〜7月に花が咲き、10月頃果実が赤く熟し生で食べられる。
東北、関東では実がクワに似ているのでヤマグワ(山桑)といい、北陸、近畿、山陰ではイツキという。小正月の繭玉や団子挿しに使い、ダンゴギと呼ぶ地方もある。特に多く自生する箱根や日光ではクサと呼び、学名の Cornus kousa に使われた。材は、木槌や道具の柄、器具などにする。
ヤマボウシは近縁のハナミズキと比べ遜色がないのに、最近まで庭木として広まらなかった。江戸時代には「四花四葉」として大いに嫌われたといわれる。花は上から見ると美しいのだが、かなり高木となることも敬遠された原因ではないかと思われる。