半坪ビオトープの日記

セイヨウシャクナゲ

日本には北海道から九州までの山地にシャクナゲが自生している。北から、キバナシャクナゲハクサンシャクナゲアズマシャクナゲ、オオバシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、ヤクシマシャクナゲなどがある。キバナ以外は濃淡のある淡紅色で美しいが、高山性のシャクナゲは栽培が難しい。
というわけで園芸品種としてはセイヨウシャクナゲがよく出回っている。イギリスをはじめヨーロッパで非常に愛好されていて、バラを花のクイーン(Queen of flowers) というのに対し、花木のキング(King of shrubs) といわれる。だが面白いことに、イギリスにはロードデンドロン(ツツジ科)の自生種が全くなく、ヨーロッパの山地に自生するのもアルペン・ローズと呼ばれる小型のヒルスーツムなど2・3種しかなく、日本の約50種に比べると貧弱極まりない。
18世紀の中頃、アメリカの自生種がイギリスに導入され、1811年にはインドから、1843年には中国から新種が伝えられ、園芸品種として改良され人気を博し広まった。だからセイヨウシャクナゲといっても、ヒマラヤ、シッキム、中国原産種がイギリスで改良されたということだ。
とはいえ写真のように、花木のキングというとおり、ヨーロッパ好みの豪華絢爛な花の美しさが十分認められる。