半坪ビオトープの日記

ハナミズキ(花水木)

アメリカ東部からメキシコにかけて分布し、バージニアノースカロライナの州花となっている。日本には明治中期に渡来した。1912年に当時の東京市長尾崎行雄がワシントンにサクラを贈り、その返礼に1915年に東京に贈られた木としてよく知られている。当時、中野区江古田の森にあった街路樹の苗木を育てる「野方苗圃」にも一部植えられた。当時の原木の苗木を園芸高校から寄贈を受けて引き継いだのが、この江古田の森(今月開園)のハナミズキである。
高さは5mほどになり、樹形がよいので、街路樹によく使われる。4〜5月、黄緑色の小さな花が20個ほど集まった球形の頭状花序をつくる。花弁状の総萼片は大きく、白色または紅色で花びらに見える。ぼかしがあったり、いろいろな改良種が出回っている。
秋には紅果が美しいが、この実は非常に苦味が強いのでほとんど小鳥に食われることなく、春まで木に残って、冬の庭を美しく彩る。
樹皮には解熱作用があり、キニーネの代用にもされた。英名は Dogwood というが、どうして犬の木かというと、この木の皮を煎じて犬の蚤を退治することができるためという。