半坪ビオトープの日記

ツバキにホソヒラタアブ

ビオトープのもう一本のツバキの花が先週から咲き出している。こちらは一回り小さいが蕾の数は多い。もう、ホソヒラタアブが蜜を吸いにやってきた。ミツバチより細身だが、早春より晩秋まで花に集まり、もっともよく見かける虫だ。
さて、欧米ではツバキは東洋のバラといって、サクラより人気があり、椿姫以来よく知られている。ポルトガル北部のポルトには16世紀のものと伝承されているヤブツバキがあるという。
ヨーロッパに初めて紹介された経緯については、17世紀後半、イエズス会の宣教師 ゲオルグ=ジョセフ=カメル(Camellus)が、フィリピンで手に入れた種をヨーロッパへ持ち帰り紹介したとする説が有力だが、本当に紹介したのは、1690〜92年に日本の植物を調査したエンゲルベルト・ケンペルとする説もある。
1702年にはイギリスへ紹介され、1753年にはリンネによってツバキの属名にカメリア(Camellia)ガ採用される。1797年にイギリスからアメリカへ渡る。1848年の小説「椿姫」(デュマ=フィス作)とベルディによるオペラ化(1852)によって注目を浴び、ヨーロッパで大流行となる。19世紀にはアメリカでもブームとなり、新しい品種が続々と生み出された。椿姫の主人公=マルグリットは胸の病で、香りのある花を持つとセキが出たので香りのないツバキの花をいつも身につけていたといわれているが、アメリカでは香りがある品種も作られた。現在では欧米だけでなく中国でも盛んに栽培されている。