半坪ビオトープの日記

八重咲きの白いサザンカ

近所に八重咲きの白いサザンカ山茶花)がまだ咲いていた。サザンカは日本原産で、山口県および四国、九州、沖縄に自生し、地植えの北限は東北南部といわれる。野生の花の色は淡い桃色を交えた白が基本である。園芸品種には白から紅色までいろいろとあるが、そこらでよく見かけるのは紅色が圧倒的に多い。
漢字の山茶花という表記は、中国語でツバキ類一般を指す山茶に由来し、読みは山茶花の本来の読み「サンサカ」が訛ったものといわれる。サザンカの花は中国に入り茶梅と書かれるようになる。
サザンカとツバキの違いは次のとおり。サザンカでは葉の付け根にうっすらと毛が生えるがツバキでは生えない。ツバキでは雄しべの花糸の下半分がくっついているが、サザンカではばらばらである。サザンカの花びらはぱらぱらと一枚ずつ散るが、ツバキの花はどさっと花ごと落ちる。サザンカの方が葉が小さい。
しかし、素人には厳密な区別は難しい。民俗学者折口信夫は古代のツバキをサザンカと考えていたという。しかし、万葉の時代には奈良盆地にはサザンカは自生していなかった。また旧暦の正月にめでたい花としてツバキが咲くとすれば、サザンカよりヤブツバキのほうが時期が合うので、やはりツバキと考えるべきだろう。