半坪ビオトープの日記

ヒガンバナ

秋の彼岸の前後で最も目立つのはこのヒガンバナだ。鱗茎が分球して増えるため群落を作る。後楽園では藤棚や蓮池の辺りに群生している。全草有毒だが鱗茎を水洗いしてデンプンをとれば、ソテツの実と同じく、救荒作物となる。墓地や田畑や人家の近くに多く、人里植物の一つといわれる。原産地は中国の揚子江流域だが、渡来時期には諸説ある。「彼岸花」の表記は室町時代以降、「曼珠沙華」の表記は江戸時代以降といわれ、どちらも仏教に関連するので鎌倉時代説が有力だ。「曼珠沙華=紅蓮華」は仏語で天界の花を指し、見るものはおのずからにして悪業を離れるという。輪廻転生を思わせる特異な姿形と毒々しい紅色が魅惑的だ。