半坪ビオトープの日記


ヒガンバナの仲間はリコリス(Lycoris) 属という。属名は、古代ローマの政治家マルクス・アントニウスの妻オクタウィアにちなむといわれるが、一説にギリシア神話の海の女神リュコリス(Lycoris) の名にちなむという。
ヒガンバナに似たこの黄色の花は、ショウキズイセン鍾馗水仙、L. aurea) といい、日本南部から中国、東南アジアにかけて分布する。リコリス属には赤や桃色、白の花が多いがこの黄色は特に鮮やかである。

こちらが最も普通のヒガンバナ(L. radiata) で、日本では岩手、秋田以南の人里植物として知られ、中国では長江流域の西南地域に多い。日中両国に同一植物が存在する理由として、陸続きであった地質時代からの広域分布説、海流漂着説、ヒト運搬説がある。
また、日本には3倍体の不稔種しかなく、それも人里にしか分布せず、中国には2倍体で結実するものがあるなど謎が多い。

こちらの白いヒガンバナは、シロバナマンジュシャゲ(L. albiflora) という。中国の2倍体のヒガンバナ(L.radiata var. pumila) と黄色いショウキズイセン(L. aurea) の交雑種とされ、九州に自生するが中国から渡来したと考えられている。