半坪ビオトープの日記

西宮家、安藤醸造


たてつ家から角館駅に向かってすぐ右側の田町に西宮家がある。西宮家の先祖は佐竹氏の家臣で、角館に芦名氏が元和6年(1620)に城下町を作った際、芦名氏や佐竹北家とは一線を画す秋田佐竹本家の直臣たちは、芦名氏や佐竹北家の武家屋敷の南東にあたる田町地区に今宮武士 団として居住した。その今宮武士団の生え抜きに西宮織部がいて西宮家の祖となった。駐車場の正面に文庫蔵があり、その左に母屋が連なっている。

西宮家には母屋のほかに五つの蔵があり、文庫蔵は、明治27年に上棟した西宮家で最も古い蔵である。

二階建ての蔵の中では、現在は途絶えてしまった角館春慶(伝統的な技法の塗り物)をはじめ、西宮家に伝わる数々の文化遺産を展示している。左の陳列棚の一番先にある神饌を載せる三方が角館春慶である。

西宮家に伝わる徳利や杯などの陶磁器、盆や文箱などの漆器も数多く展示されている。

文庫蔵の左に連なる母屋には囲炉裏部屋・奥座敷など4つの部屋があり、甘味・食事処となっている。
文庫蔵の裏手には、大正8年に建てられた北蔵がある。地元角館産の低農薬米と地元野菜を生かした創作料理にこだわったレストランが営まれている。

裏通りに面して米蔵が建っている。明治43年に建造された、西宮家で最も大きな蔵であり、桜皮細工や藍染め、古布など雑貨を販売している。ほかにも母屋の左側に、展示・コミュニティスペースとして利用される大正8年建造の前蔵と、古くからガッコ(漬物)貯蔵に使われ現在は漬物販売をするガッコ蔵がある。

西宮家の裏手からさらに南に進むと、嘉永6年(1853)創業の、秋田を代表する人気の醸造元・安藤醸造本店が建っている。外町(商人町)は木造の店舗が密集していて明治期まで度々大火に見舞われたため、レンガ造の蔵屋敷が明治時代中期に建てられた。

西宮礼和筆のふすま絵を施した内部を公開し、収納蔵として使用していた黒漆喰の文庫蔵を休憩スペースとしている。安藤醸造の商品は、無添加天然醸造が特徴で、手作業が多いため大量生産できず、直売での販売を基本としている。試食もさせてくれるので試してみると、どれもコクがあって美味しい。早速、味噌・白だし・甘だれ・そばつゆなどをまとめて買い求め、宅配を頼んだ。