半坪ビオトープの日記

然別湖遊覧


北海道十勝管内鹿追町北部にある然別湖は、大雪山国立公園内にある唯一の自然湖である。湖畔温泉前から遊覧船が出ていて、一周40分で神秘的な湖を船上から楽しむことができる。向かいの山は天望山(1,173m)で、湖面に山の姿が映ると「くちびる」の形になるので、別名をくちびる山という。

然別湖西岸の湖畔温泉にはホテルが2軒あり、その間にネイチャーセンターがあって、カヌーやシーカヤック、アウトドアクッキングなど様々な自然体験を楽しませてくれる。

標高約810mと北海道で一番高いところに位置する自然湖であり、「冬の凍結が最も早く、解氷は最も遅い」といわれている。12月から5月まで、約半年間に渡り、雪と氷に覆われる。古代の火山の噴火口の陥没によってできたカルデラ湖とも、火山の噴火により川が堰き止められてできた堰止湖ともいわれている。

周辺は白雲山(1,187m)、天望山、南ペトウトル山(1,348m)など1,000m級の山々に囲まれ、未開発の森が湖の波打ち際まで広がっている。

然別湖を取り囲む森は、エゾマツやトドマツ、ダケカンバなどの樹木を中心に形成され、日本最大のキツツキであるクマゲラをはじめ、ナキウサギシマフクロウオジロワシエゾシカ、キタキツネ、エゾクロテン、エゾリス、モモンガなど多くの動物が暮らしている。

湖の北側から澄んだ水を供給する清流・ヤンベツ川は、ミヤベイワナサクラマスニジマス、ワカサギにとって貴重な産卵の場である。特に然別湖のみに生息するオショロコマの亜種・ミヤベイワナは、湖とヤンベツ川を生息地とする固有種で、大切に保護されている。

湖の周囲は約12km、水深は約100mで、複雑な湖岸は9つの湾をつくり、秋には紅葉が湖面に映り、とりわけ美しい景色となるそうだ。

湖北に然別湖唯一の島・弁天島があって、弁財天が祀られている。弁天島については「白蛇姫伝説」が語り継がれていて、毎年7月に湖畔温泉で白蛇姫祭りが行われている。

然別湖畔温泉は、塩化物・炭酸水素塩泉で、青みがかった鈍色の源泉は鉄分を多く含み、空気に触れて茶色の濁り湯となる。展望露天風呂からは静かな湖畔と天望山が一望でき、夜は満天の星空を眺められて心地よい。