1時間程下って車道に出た。反対側の登山口である。下り道は展望がほとんどなかったので、こちらから登るのは面白くない。これから野反湖畔を真っ直ぐ南進して富士見峠に戻る。
湖畔に下る道沿いにもいくらか花が咲いている。この小さな花は、ユリ科のチゴユリ(Disporum smilacinum)である。北海道〜九州の山地のやや明るい林内に生える多年草で、高さは15〜30cmになる。茎の先に1〜2個の花を垂れてつける。和名は稚児ユリで、その姿が小さく可愛いことによる。
ここにもまたフモトスミレの群生を見つけた。葉脈に沿ってしばしば白班が入るものがあり、これよりもっと顕著なものをフイリフモトスミレと呼ぶ。
今度はムラサキヤシオのとても大きな株に出会った。和名は、紫色の染料に何回もつけて染め上げたツツジという意味である。別名はミヤマツツジという。
野反湖は、湖面標高1513m、水深25m、周囲12kmのダム湖である。湖畔にはシラカバやヤナギの木が生い茂って涼しげである。
7月中旬にはニッコウキスゲ(ノゾリキスゲ)の黄色い花が満開になるという。北岸の西側にはキャンプ場がある。
左手に見える山は、八間山だろうか、それともイカイワの頭であろうか。笹原の様子からするとイカイワの頭に見える。
ようやく富士見峠が見えてきたが、まだ30分程歩かねばならない。道は歩きやすいが平坦そのものの道は変化に乏しく、なかなか峠に近づかない。
最後に50mほど上って、ようやく富士見峠に戻った。歩き始めに一雨降った後は、何とか晴れたり曇ったりで、梅雨の合間だが無事歩き通せた。思ったより花が多くて、久しぶりのハイキングは十分に楽しめた。