半坪ビオトープの日記


真夏の庭先で力強く咲き続けるこの花は、アヤメ科クロコスミア属のヒメヒオウギズイセン(Crocosmia × crocosmiiflora) という。属名は、ギリシア語 krokos(サフラン)と osme(香り)に由来し、乾燥させた花を湯に浸すとサフランに似た香りがすることにちなむ。
南アフリカ原産のヒオウギズイセン(C. aurea) とヒメトウショウブ(C. pottsii) との交雑により生じた園芸品種群を指し、日本では園芸上、英名のモントブレチア(montbretia) の名で流通している。中国では火星花といい、球茎を薬用にする。

剣状の葉は60〜150cm、花茎から穂状花序を分枝し、橙から深紅色の漏斗状の花を多数咲かせる。6枚の花被片はやや反り返り、黄金色の雄しべと花柱が目立つ。一般には丈の低いものが多いが、これは珍しく大型の品種である。

明治中期に日本に観賞用として渡来した。こちらがよく見かける丈の低いもので、丈夫なためあちこちで野生化している。姫檜扇水仙というが、ヒオウギ(檜扇)ほど葉も広くなく、スイセン水仙)にも似ていない。