半坪ビオトープの日記


ヨーロッパでは古くから春を告げる花として親しまれているのが、このクロッカス(Crocus) である。属名クロクスは、サフランに対するギリシア語 krokos(糸)に由来し、花柱が長く糸状に伸びることにちなむ。
クロッカスと総称されるが80種ほど野生種があり、ほとんどが地中海沿岸から小アジアにかけて分布し、多くが春咲きである。
ところが、サフランは秋咲きで、紀元前15世紀以前のクレタ文明から歴史に顔を出す。長い朱色のめしべの柱頭を乾かした粉は、香料、調味料、染料、薬用に使用され、金と同じ価値があるとされた。
サフランと区別するためにハナサフランとも呼ばれるクロッカスは、園芸品種がとても多く特定することが難しい。白っぽい上の花は近所で見かけたクロッカス。
どちらかというと、バルカン半島小アジアを原産地とするクリサンツス(C. chrysanthus) から作出された園芸品種が多い。中の黄色の花は職場の花壇の花。

近くの公園で見かけた下の紫の筋がある花は、ヨーロッパの山岳地帯にふつうに分布するウェルヌス(C. vernus) の園芸品種である「ピックウィック 'Pickwick' 」で、白い花は、「ジャンヌダルク 'Jeanne d'Arc' 」と思われる。