半坪ビオトープの日記


香り高いユズより一回り小さいこの果実は、ハナユ(花柚、Citrus hanayu) という。ユズ(C. junos) と同じく中国原産の常緑低木で高さは2m以下になる。10年以上かかるユズより結果年齢が早く、一才ユズとも呼ばれる。
花の香りはユズと同程度だが、果皮の香りはユズより弱い。花や果皮を吸い口に、果汁は焼き魚にかけるなど、料理にも活用される。

9月中旬にこのハナユにナガサキアゲハが産卵にきた。カメラを持ち合わせず、携帯のカメラも電池切れで1枚しか撮れずピンボケで残念だが、間近で見た蝶は確かにナガサキアゲハのメスであった。
ナガサキアゲハ(Papilio memnon) は、モンキアゲハオオゴマダラと並び日本産最大級の蝶の一つである。ネパール、東南アジア、中国、台湾、日本にかけて分布し、和名は、シーボルトが長崎で最初に採集したことに由来する。
20世紀半ばまで九州以南だった生息地が20世紀末には近畿以南となり、21世紀には一気に関東まで北上し、ツマグロヒョウモンと同じく温暖化の指標として注目されている。

中央やや右のハナユの葉にある1ミリほどの粒が、産みつけられたナガサキアゲハの卵である。食草はナミアゲハと同じくミカン科の栽培各種であり、サンショウやキハダは食草としない。