半坪ビオトープの日記


キスゲの仲間はほとんどそっくりに似たものが多く、都会で見かける場合、種名の同定が難しい。野山に行けば、ヤブカンゾウノカンゾウゼンテイカなどが日本でも自生している。
ともあれ、都会で栽培されているものとしてもっともよく見かけるのは、このゼンテイカ(禅庭花、Hemerocallis dumortieri var. esculenta) であろう。ヘメロカリスという属名は、ギリシア語 hemera(1日)と kallos(美)に由来し、花が1日でしぼむことにちなむ。和名は、ワスレグサ属あるいはキスゲ属という。
ゼンテイカは、本州中部以北から北海道の山地草原に自生し、ニッコウキスゲ通称名の方が有名である。野山では7月頃咲くが、都会ではそれより早く咲く。

同じ変種の一つにヒメカンゾウ(H. d. V. dumortieri) がある。江戸時代から栽培されていて、ゼンテイカとよく似ている。5月には咲く。

ヘメロカリス属は東アジア原産だが、ヨーロッパで品種改良が進み多くの園芸品種が作出された。総じてヘメロカリスと呼ぶ。
花色には黄色と赤褐色の基本から白や濃紅などもあり、花被片も広くなっている。