半坪ビオトープの日記


紅紫色の蝶形花を枝にびっしりと咲かせているのは、マメ科ハナズオウ属のハナズオウ(Cercis chinensis) という。ケルキスという属名は、ギリシア古名に由来する。
中国の中部以北から朝鮮半島にかけて分布し、日本には1695年以前に渡来した。和名は、花色が染料の蘇芳色に似るためつけられ、別名は蘇芳花という。花期は4月で、秋には6cmほどの豆果を枝豆のように下げ、落葉後も枝に残り、特異な景観を示す。
英名は、Chinese redbud(中国の赤いつぼみ)だが、地中海沿岸に分布する近縁種のセイヨウズオウ(C. siliquatrum) の英名は、Judas tree(ユダの木)という。キリストを売ったユダがこの木で首を吊ったことに由来するそうだ。
アメリカにもアメリハナズオウ(C. canadensis) があるが、セイヨウズオウとともに花色の鮮やかさは中国原産のハナズオウにかなわない。
まれに白花種も見かける。できれば隣り合わせで鑑賞したいものだ。