半坪ビオトープの日記

リヨンの夜と名物臓物料理


リヨン美術館の数多くの絵画を見ている間に、外はすっかり暗くなっていた。

市庁舎も美しくライトアップされていて、ますます立体的に見えるようになった。建物上方の正面を飾るアンリ4世の騎馬像は、1829年ルジャンドル・エラルの手による。他に、65の小鐘からなる鐘楼や、1914年の大時計、その上の金のポールが特徴の1652年に制作された天文時計など多くの見所がある。内部のシャンデリアを豊富に使った装飾も豪華であるという。

新市街のかなり南のアンペールヴィクトルユゴー駅という地下鉄の駅前に銅像が建っている。アンペールの法則を発見した19世紀の偉大な物理学者のアンドレ=マリ・アンペール銅像である。

美食の町として知られるリヨンでは、「ブション(Bouchon)」と呼ばれる庶民的なビストロで、伝統的な臓物を中心とした郷土料理を愉しむことができる。この「コントアール・アベル」という店は、1928年に開店して今も続いている中ではリヨンで最も古いブションで、歴史を感じさせる木造の内装やフランス独特の木梁の天井は情緒豊かである。

この「西洋ザリガニのサラダ(Salade d’écrevisses)」は、店に代々伝わる秘伝のレシピで作られている。茹でたインゲンが添えられている。

こちらは日本でも知られている「リヨン風サラダ(Salade Lyonnaise)」。ラルドンソテー(塩漬け豚バラ肉を湯がいて棒状に切り炒めたもの)、ポーチドエッグ、クルトン、チコリなどのグリーンサラダをドレッシングで和えている。

こちらは「仔牛の頭(Tête de veau sauce gribiche, pommes vapeur, carottes)」。仔牛の頭をポロネギと人参とともに柔らかく煮て、蒸しジャガイモを添えている。グリビッシュソースをつけて食べる。

こちらは「臓物の腸詰(Andouillette sauce moutarde)」。豚や仔牛の胃、仔牛の腸間膜などを詰めたソーセージで、マスタードソースをかけて食べる。

こちらは「アベル風モツ煮込み(Tripes mode Abel, pommes vapeur)」。臓物を野菜とともにトマト味で煮込んだものに、蒸しジャガイモを加えている。
どれも臓物などを使った郷土色豊かな料理で、美食の町リヨンの味をある程度堪能できた。