半坪ビオトープの日記

サン・ジャン大聖堂、ブションでランチ


リヨンの旧市街に建つサン・ジャン大聖堂(Primatiale Saint-Jean)は、フルヴィエールの丘の麓にある司教座聖堂である。初期キリスト教の洗礼堂と2つの教会があった場所に、1180年から1480年にかけて建設された。西側のファサードはフランボワイヤン様式。正面中央にあるバラ窓が美しく、入口は数百個の丸い石で装飾され、十二宮星座、天地創造と聖ヨハネの一生が描かれている。1600年、フランス王アンリ4世がマリー・ド・メディシスと結婚式をここで挙げたという。

聖堂内は大きく豪華なステンドグラスが美しい。北側の翼廊に大きな天文時計があるというが気がつかなかった。14世紀に作られた、聖母マリアや天使などが動くからくり時計で、2019年までのキリスト教の祝日等が示されているという。

サン・ジャン大聖堂の近くから西にあるフルヴィエールの丘の上を見上げると、ノートルダム大聖堂八角形の4つの塔と鐘楼の上に輝く黄金の聖母像が認められる。

石畳の町並みの残る旧市街は、世界遺産に登録されているリヨンの歴史地区に含まれている。その旧市街のルネサンス時代の建物も含まれる建物群の内部を通り抜ける細い通路をトラブール(Traboule、抜け道)という。リヨン独特のトラブールはどこにあるか容易に見つからない。その入口のドアを開けて入る。

トラブールの中に入ると迷路のように細い道が続き、途中に階段や装飾のある柱、中庭などがあって不思議な雰囲気が漂う。

抜け道とはいえ、狭い通路はどこに通じるかわからず、初めて通るには勇気がいるが、物珍しさが先に立つ。

石畳のある通りには、リヨン名物である豚肉の伝統料理が味わえる庶民的ビストロ、ブション(Bouchon)がたくさん並んでいる。

昨夜は最古と言われる有名なアベルというブションで臓物料理を食したが、今日の昼食はこのNotre Maison(我が家)というブションに入った。

店内の壁には額に入ったたくさんの写真が貼られ、梁には銅製の鍋が吊り下げられ、まことに庶民的な雰囲気に包まれている。

席に着くとまず、つまみのグラトン(豚脂の唐揚げ=リヨン名物のつまみ)が出される。

これもリヨン名物の上げ底ワイン瓶「ポ・リヨネ」。

リヨンのドライソーセージには、「ロゼット」と「ソシソン・ド・リヨン」の2種類あるが、どちらもよく似ている。この店のメニューでは、ロゼット(Rosette de Lyon)となっていた。

こちらはルーロー・デ・コション(Rouleau de cochon)という豚バラの煮込み。

こちらのサボデのレンズ豆煮込み(Sabodet de aux lentilles)は、サボデというリオン風ソーセージを、ワインの中でレンズ豆とともに2時間半煮込んだもの。

ブーダンノワール(Boudin noir aux pommes)は、フランスで最も古い腸詰の一つで、豚の血と脂とスパイスのソーセージ。

食卓にあったオイル漬けは、多分、唐辛子のオリーブオイル漬けであろう。

この店の豚肉料理もそれぞれリヨン風の独特なものであったが、どれも伝統と風味を存分に味わえる素晴らしい料理だった。食後のコーヒーはエスプレッソ。デザートはプラムのシロップ煮。